あらすじ
コインランドリーを営むエヴリンは、税務調査の最中にマルチバースの危機を知らされ、無数の並行世界の“別の自分”の能力を借りて戦うことになります。
感想
予想していた“アクション映画”の器に収まらず、家族と人生の話にまで踏み込んでくる作品でした。
スタジオA24作品は、毎回こちらの想像を軽く飛び越えるような尖り方をしています。
これまで「関心領域」「ボーはおそれている」「LAMB/ラム」「ヘレディタリー/継承」「ミッドサマー」「スイス・アーミー・マン」などを観てきましたが、どれも一筋縄ではいかない作品ばかりでした。
「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」はアカデミー賞も受賞していて、比較的カジュアルに観られるタイプかと思っていました。
…結果としては、やっぱりA24。カオスが孕んでいるタイプの映画でした。
ただ、全体としては意外とわかりやすく、純粋に面白い。
テンポ良く進む一方で、途中途中に常人では発想できないような表現や展開が差し込まれていて、良い意味で痺れます。奇抜さで押し切るだけではなく、最後は“家族”というテーマにきちんと着地していくところも強かったです。
おすすめ度 ★★★★☆
個人的嗜好 ★★★★★
変なギャグや突飛な表現に耐性がある人ほど刺さると思います。
逆に、落ち着いた一本を求めている時は、心して観た方がいいかもしれません。
