主演ジェイソン・ステイサム。
今回のステイサムは、なんと養蜂家です。
珍しい設定なので、蜂を武器に変えて大暴れするような映画かと思いました。
大量の蜂を敵に放ったり、蜂蜜を使って罠を仕掛けたり。
そんな場面を少し期待していたのですが、特にそういうことはありませんでした。
やることは、いつものステイサムです。
拳と銃を使い、悪い奴らに容赦なく制裁を加えていく。
結局はステイサムがステイサムらしく暴れ回る映画でした。
この安心感こそ、彼の作品の魅力なのだと思います。
ステイサムの魅力を挙げるなら、まず悪役をにらみつけるときの鋭い眼光。
そして、低く甘さのある、少しセクシーで紳士的な声。
本人の声を聞くためにもステイサム作品は字幕がおすすめです。
鍛え上げられた美しい肉体も欠かせません。
私とステイサムとの出会いは「トランスポーター」でした。
役柄の印象もあったと思いますが、初めて観たときから「紳士的で強い男」という印象がありました。
黒いスーツを身にまとい、決められたルールを守りながら、必要となれば圧倒的な強さを見せる。
その姿が、とにかくかっこよかったのです。
その後もアクション映画を観ていると、たびたびステイサムの姿を目にしました。
最初は「またこの人が出ているな」くらいだったはずが、気づけば少しずつ惹かれていき、今では大好きなアクションスターのひとりになっています。
ステイサムの出演作は、物語や設定が違っていても、最終的には「今回はどんなふうにステイサムが大暴れするのか」を楽しむ作品が多い気がします。
強くて、寡黙で、無駄がない。
敵がどれだけ多くても、こちらが心配することはほとんどありません。
むしろ、悪役たちがどのようにステイサムの逆鱗に触れてしまうのかを待っているようなところがあります。
少し例外なのが「スナッチ」でしょうか。
この作品にもステイサムは出演していますが、そこまで大暴れしていた印象はありません。
その分、ブラッド・ピットの存在感と暴れっぷりが強烈でした。「スナッチ」は「スナッチ」で、大好きな作品のひとつです。
こうした「主演俳優が毎回ほぼ期待どおりの強さを見せてくれる映画」との最初の出会いは、スティーヴン・セガールでした。
「沈黙」シリーズでは、舞台や立場が少し変わっても、最後にはセガールが圧倒的な強さで敵を倒していく。
細かな内容を忘れてしまっても、「とにかく今回もセガールが強かった」という満足感だけは残ります。
毎回似たような展開だと分かっていても、それを楽しみに観ていました。
余談ですが、「エグゼクティブ・デシジョン」という映画では、物語の序盤でセガールがあっさり退場してしまいます。
セガール目当てで観た作品ではなかったのですが、画面に登場した瞬間はやはり少し興奮しました。
ところが、これから活躍するのだろうと思った矢先に姿を消してしまい、あっけにとられた記憶があります。
ステイサムやセガールの映画には、時代劇の「水戸黄門」にも似た安心感があります。
悪い人間が現れ、主人公が立ち上がり、最後にはきっちりと報いを受けさせる。
展開がある程度分かっているからこそ、余計な心配をせず、その世界に身を預けることができます。
そういう意味では、「エクスペンダブルズ」などは最高です。
強そうな俳優たちが集まり、それぞれが期待どおりに暴れてくれる。
「僕の考えた最強アクションスターを集めた」ような作品。
意外性よりも、「これが観たかった」という満足感を、まっすぐ届けてくれます。
映画には、先の読めない物語を楽しむ作品もあれば、期待しているものを期待どおりに見せてくれる作品もあります。
最近は映画を観る本数が増え、その日の気分に合わせて作品を選ぶことも多くなりました。
難解な世界へ入り込みたい日もあれば、静かな余韻に浸りたい日もある。
そして、何も難しいことを考えず、強い男が悪い奴らを倒していく姿を眺めたい日もあります。
今の気分にぴったり合う作品と出会えたときには、不思議と大きな充足感があります。
少し話は変わりますが、それは整体にも通じるところがあるのかもしれません。
その日の気分や身体の状態は、いつも同じではありません。
静かに休みたい日もあれば、気になるところをしっかり見てほしい日もある。
こちらの考えを一方的に当てはめるのではなく、その日の身体に合った施術を届けられたらと思っています。
「ビーキーパー」は、まさに期待していたものを期待どおりに見せてくれる作品でした。
養蜂家という意外な肩書きをまといながら、中身は安心と信頼のステイサム映画。
難しいことを考えず、悪役が次々と倒されていく爽快感を楽しみたいときには、とても良い一本です。