エアプランツが教えてくれた、自然に還るということ

2026.7.31

数年前からエアプランツを育てているのですが、なかなかコツがつかめず、これまでいくつも駄目にしてきました。

しかし最近、ようやく少しコツがつかめてきたような気がします。
これまではほとんど室内で育てていましたが、屋外に出すようになってから、以前よりも元気に育ってくれているように感じます。

植物を育てる際には、その植物の原産地に近い環境をつくってあげることが、ひとつの基本になります。
室内では、エアプランツに必要な風通しや光、昼夜の温度差などを、うまく再現できていなかったのかもしれません。

植物を育てていると、その植物にとって自然な状態が、やはり一番過ごしやすいのだと気づかされます。

これは、植物に限った話ではないように思います。
人の身体も、自然のリズムから大きく離れすぎないことが、快適に過ごすためのひとつの鍵になると私は考えています。

人間は本来、空腹になれば食べ物を求めて身体を動かし、食べ、疲れたら眠る。
今よりもずっと、光や風、寒暖差、身体を動かすことが身近にある環境の中で暮らしてきたのだと思います。

しかし、現代の生活は不自然さの連続です。
身の回りには人工物があふれ、夜になっても街は明るく、画面からは絶えず膨大な情報が流れ込んできます。

身体をほとんど動かさなくても生活でき、飢えとはほど遠いほど食べ物が身近にある。
人間関係は複雑になり、身体への負担よりも、精神的な負担のほうが強くなることもあります。

便利な社会に助けられていることは、もちろんたくさんあります。
ですが、その便利さと引き換えに、身体が本来受け取っていた光や風、運動といった刺激から、少し遠ざかっている面もあるのかもしれません。

そうした環境の中で暮らしている私たちは、自分で思っている以上に、緊張やストレスにさらされています。
それが積み重なり、身体の不調につながることもあるのではないでしょうか。

だからこそ健康を考えるときには、今の生活の中に、自然に近い感覚を少し取り戻すことも大切だと思っています。

とはいえ、空腹になったら狩りに出かけ、疲れたらすぐ眠るような生活は現実的ではありません。
現代の暮らしをすべて手放す必要もないと思います。

では、今の生活を続けながら、どうすれば自然な状態へ少し近づけるのでしょうか。

方法はいろいろありますが、個人的に取り入れやすいのは、身の回りに植物を置くことです。

自然環境と心の健康については、世界保健機関(WHO)の研究でも、ある一定の効果が出るという結果もあるようです。(植物を置けばすべての人が良い結果に繋がる、というわけではなさそうですが…)

また、若い成人を対象にした小規模な実験では、パソコン作業と比べて植物の植え替え作業をした後のほうが、交感神経活動や拡張期血圧も低くなるような結果も見られているようです。
植物をただ眺めるだけでなく、手をかけて育てる時間にも意味があるのかもしれません。

サロンには、生きた植物のほかに、ドライフラワーや植物の絵、ディップフラワーなども飾っています。
それぞれ形は違いますが、部屋の空気をやわらかくし、ふと視線を休ませてくれる存在です。

自然な状態に近づくということは、何もすべてを昔の生活へ戻すことではありません。

朝の光を浴びる。
風に触れる。
少し歩く。
疲れたときには休む。
身近な場所に、緑をひとつ置いてみる。

そうした小さなことからでも、身体は少しずつ、自分のリズムを思い出していくのかもしれません。

何かを無理に足すことではなく、遠ざかっていた自然な感覚を、少しずつ取り戻していくこと。

屋外で元気を取り戻していくエアプランツを眺めながら、そんなことを思いました。

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レン・ヤジマ

整体サロン『リーン』