映画感想「アメリ」「リング」「ZOO」

2026.6.19

アメリ

あらすじ

「アメリ」は、パリのモンマルトルで暮らす少し空想好きな女性アメリが主人公の映画です。
人と深く関わるのが少し苦手なアメリは、ある日をきっかけに、周囲の人たちをこっそり幸せにすることに喜びを見つけます。
しかし、他人の人生には踏み込める一方で、自分自身の恋にはなかなか踏み出せません。
小さな優しさ、いたずら、孤独、恋を描いた、少し不思議で温かいフランス映画です。

感想

この映画は登場人物の紹介がユニークでそのシーンが印象に残りました。

「負けて泣くスポーツ選手」が好きで「子供の前で恥をかく親」が嫌いな女主人
「祝福の祈り」が嫌いな売店の女性
「指を鳴らすこと」が好きな同僚
「牛に突かれる闘牛士」が好きな売れない小説家
「梱包材のプチプチを潰すこと」が好きな常連客
「猫の水入れを床に置く音」が好きなスチュワーデス
「おとぎ話を聞くことが好きな」猫
そして「クレーム・ブリュレのおこげを潰すこと」が好きな主人公アメリ

改めて自分が日常の中で「好き」なこと「嫌い」なことを考えると、すっと、でてこないことに気づきました。

皆さんは、「好き」「嫌い」は、はっきりしていますか?

これに気づけると、小さなことから幸せに向えたり、逆に不幸なことから遠ざかれるように思えました。
きっと誰しも、小さな幸せや嫌なことが、日々の中にたくさん転がっているはずです。
ただ、毎日を過ごす中で、それに気づかず、ルーチンのように時を過ごすことになってしまう方が多いのではないでしょうか。

忙しいからこそ、大変だからこそ、一度立ち止まって振り返ったり、あるいは、目を凝らして日々を過ごして観たりすることも良いのかなと思いました。

映画の話に戻ると、パリを舞台にしたこの作品は、映像・音楽・美術・人の写し方、どれをとってもお洒落でした。
物語のテンポも心地よく進み、パリの街並み、アメリの空想の世界、個性的な人物達の背景描写など情報量も多く、より深く作品へ潜り込んでいくような感覚がありました。

中でも、やはりというべきか、この作品を思い返すとアメリの表情こそが象徴的なシーンのように感じました。
可愛らしい、意地悪、美しい、臆病、果敢、やさしい、などなど
形容する単語が色々とよぎります。

個人的にこの映画はアメリの表情がコロコロ変わっていく様子が一番の見どころに感じました。

リング

あらすじ

「リング」は、見た者が7日後に死ぬという呪いのビデオをめぐるホラー映画です。
新聞記者の浅川は、姪の不可解な死をきっかけに、そのビデオの存在を知ります。
実際に映像を見てしまった浅川は、元夫の高山とともに、呪いの正体を調べ始めます。
やがて二人は、ビデオに込められた少女・貞子の怨念へとたどり着きます。

感想

ジャパニーズホラーの金字塔とも言われる作品でしょうか。
この作品が公開された時私は小学生でした。
当時は怖く、見れませんでしたが流石にもう大丈夫と思い、鑑賞しました。

この作品は終始ジメッとした気持ちの悪い空気感が作品から漂っていて、今見ても不穏な雰囲気を存分に感じることが出来ました。
恐怖を煽る演出もドカンと驚かす種類ではなく、静かにそっと佇んでじわじわと恐怖心を育てていくような種類で、物語を通して言葉にならない気持ち悪さを感じます。

1990年代の作品からか当時の雰囲気もおおいに感じ、記憶が蘇ってきます。
世紀末ということもあり、混沌とした空気感は現実にも現れていたように思います。
バブルの崩壊の余韻、痛ましい事件や荒れる若者、ノストラダムスの大予言、2000年問題
自分自身も将来への不安が日に日に大きくなり、人生とは?とか人としてどう生きるか?を考えてみたり思い悩んだりしたことも思い出しました。

当時は学校の怪談が流行っていて、トイレの花子さんに怯えてトイレの個室には入れませんでした。
町中で口裂け女やテケテケや人面犬に遭遇することに怯えおまじないを練習しました。
夜はお化けが怖くて眠れない日がありました。

覚悟はしていましたが、「貞子」という設定は散々使い回され、この作品を見てもどこか既視感があるように感じてしまいました。
何もない、それこそ当時に鑑賞していたのであれば、それはそれは夜も眠れなくなるほどの衝撃を受けたに間違いありません。

ZOO

あらすじ

「ZOO」は、動物園で働く双子の動物学者が、交通事故でそれぞれの妻を失うところから始まります。
事故の生存者である女性と関わるうちに、双子は「死」や「腐敗」への関心を深め、動物の腐敗を記録する実験にのめり込んでいきます。

物語としては、悲しみを抱えた双子が、喪失を受け止める代わりに、生命の終わりや分解の過程へ異常なほど執着していく映画です。
かなり美術的で、通常のドラマというより、死・身体・対称性・観察をめぐる実験的な作品です。

感想 

カルト的人気があるとのことで鑑賞した一本。
テーマは「腐敗」と「対称性」
劇中生物の腐敗が映されるシーンが度々ありますが、BGMがやけに軽快で、死が進んでいくことへの悲壮感が少なく感じます。

主人公たちは元々結合双生児でした。
もとに戻るという感覚にも恋い焦がれていたのかも知れません。
だからこそ、腐敗してゼロになることがイコール左右対称に繋がるという認識で、そこに取り憑かれたように思いました。

双子であろうと、一人の人間であろうと、生物である以上左右対称ということは在りえないはずです。
監督は、在りえない存在だからこそ、そこにある美しさを表現したかったのかもしれません。

原題は「Zと二つのゼロ」
このタイトルからは、同じ点から出発して、最終的に交わるゼロといった意味合いも含まれているように思いました。
この作品はイギリスの映画ですが、輪廻転生のような仏教的思想も含まれているのかも知れません。
「死」に対してネガティブな感情だけではなく、
「死」がもとに戻るだけであったり、救いであったり、美しさとして演出されているのかもしれませんね。

劇中では左右対称な構図が多用されています。
その映像だけでも美しさを感じ、個人的にはツボでした。
作品全体として、奇妙で異彩を放つ完全に見る人を選ぶタイプの作品ですが、監督のこだわりが詰まりまくった作品で個人的には、とても見ごたえがありました。

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レン・ヤジマ

整体サロン『リーン』