私は美術作品を見るとき、あまり事前知識を入れずに向き合うことが多いです。
そのほうが、先入観を持たずに作品を味わえる気がするからです。
目の前にある色や線をそのまま受け取る。
その後作者の背景や作品が生まれた時代を知ると、さらに惹かれていくことがあります。
エゴン・シーレも、そのように好きになった人物のひとりです。
作品自体に、まず強く惹かれました。
独自の世界観があって、どこか尖っていて、見る側を少しざわつかせるような力がある。
危うさや不安定さを表現しているような、不思議な魔力があるようにも感じます。
そして、作品だけでなくその生き方にも惹かれました。
保守的な体制の中に捕らわずに、タブーとされる領域にも踏み込んでいく。
その姿勢には、どこかロックやパンクにも通じるものがあるように思います。
きれいにまとまることよりも、自分の表現を貫こうとする強さ。
そういうところに、強く心を動かされます。
エゴン・シーレとの出会い自体にも、少し思い出があります。
昔、とある方から、シーレの作品が使われたミニカレンダーをいただいたことがありました。
その時は、まだエゴン・シーレという名前も知らなかったのですが、ページをめくった瞬間に、その世界へ一気に引き込まれたのを覚えています。
それから時が流れて、また別の形でシーレの作品に触れることができた。
そのことが、うれしくもあり、どこか懐かしくもありました。