先日、横浜のシーバスに乗りました。
春の風に誘われて、なんとなく海へ繰り出したくなったのです。
船は波に揺られながら、急ぐこともなく、ゆったりと進んでいきました。
そのゆっくりとした速度が、日々の流れから少しだけ自分を遠ざけてくれるようで、ただ景色を眺めているだけなのに、気持ちが少しずつほどけていくのを感じました。
船の上から見るみなとみらいの景色は、見慣れているはずなのに、どこか違うように感じます。
横浜ベイブリッジ、ハンマーヘッド、観覧車、ランドマークタワー、インターコンチネンタルホテル。
電車の窓や歩きながら目にする光景とは、少し趣の違う見え方をしていて、それがかつての記憶を呼び起こします。
それぞれの場所に、いくつもの思い出が詰まっています。
あの頃のこと、あの時一緒にいた人のこと、何を思ってそこを歩いていたのか。
普段は奥のほうにしまわれている記憶が、海の風に吹かれながら、ひとつずつ浮かんできました。
懐かしい、という言葉だけでは少し物足りなく、どこかセンチメンタルで、でも悪くない気持ちでした。
景色は変わっていくのに、そこに触れると、昔の自分がふと蘇ってくることがあります。
そういう瞬間に巡り合うと、時の積み重ねを感じます。
いろいろな場所に、いろいろな思い出が残っています。
あらためて景色を見つめ直してみるのも、良いものですね。
いつもと少し違う角度から見れて、心の動き方まで変わる船旅でした。