変わりゆく街と整体サロン『リーン』の話|綱島で整体を始める少し前の話

2026.9.07

綱島駅西口を出てすぐの通りが、また大きく変わり始めています。

判明しているだけでも、「パリパリ天神焼」「綱島ホルモンセンター」といった新しいお店ができました。 噂では、もつ焼きのお店も入るという話があります。

最近できた「月島もんじゃ たまとや綱島」も、帰り道に前を通ると連日賑わっている様子です。

ほかにも工事をしている場所があり、これからさらに街の風景は変わっていきそうです。

綱島の東口、新綱島駅前にも、この秋「新綱島MICCA(シンツナシマ ミッカ)」という新しい商業施設がオープンする予定です。

10月から11月にかけて新店オープンの情報をよく耳にするようになり、綱島という街が、また大きく動き始めているように感じます。

変わり始める綱島と、この街の魅力

私は、綱島という街が好きです。

綱島は、もともと温泉街として栄えていた街です。

今では温泉街だった頃の面影はかなり少なくなりましたが、街を歩いていると、昔ながらの雰囲気や、その土地に長く残ってきたものを感じる風景に出会うことがあります。

一方で、現在は再開発も進み、新しい駅ができ、新しい建物やお店も次々と増えています。

古くから残っているものと、新しく入ってくるもの。

その二つが混ざり合っている今の綱島の雰囲気を、私はとても心地よく感じています。

私が綱島で整体を始める少し前の話

独立を考え始めたのは、実際に開業する1年ほど前のことでした。

まず始めたのは、物件探しです。

独立する前から「整体をやるなら綱島がいい」という気持ちは強くありましたので、第一候補は綱島でした。

ただ、もちろん綱島だけを見ていたわけではありません。

恩師が開業したときの話にならい、候補となる駅に実際に降りて、街中を自分の足で歩くこともしました。

東横線でいえば、白楽、大倉山、日吉、元住吉、武蔵小杉、新丸子、多摩川あたり。

仕事が早く終わった日などに、駅を降りて歩き回りました。

自分が生まれ育った立川周辺でも、昭島、日野、豊田、八王子、国立、西国分寺、国分寺などを、休みの日を使って見て回りました。

ちょうど暑い時期にも差しかかっていて、汗をじっとりかきながら、ぐるぐると街を歩きました。

実際に駅へ降り、自分の足で歩いてみると、

「駅が一つ違うだけで、こんなにも雰囲気が違うんだ」

と驚きました。

綱島以外では、大倉山、日吉、立川、国立あたりは、個人的に肌に合う感覚がありました。

そして、ほかの街を見るほどに、改めて綱島の良さも見えてきました。

立川と綱島

私は立川で生まれ育ちました。

立川は、私が子どもの頃から比べると再開発がかなり進み、今ではずいぶん今風の街になっています。

駅前には以前、「第一デパート」という独特な雰囲気をまとった建物がありました。

個性的なテナントが並んでいたその場所も、気づけばヤマダ電機が入る立派な建物へと変わりました。

北口を出てすぐにあった「フロム中武」というデパートにも、雑貨屋や喫煙具のお店などが入っていて、子どもの頃の私には少し怪しく、不思議な雰囲気の場所に映っていました。

そこも今では、100円ショップや西松屋などが入り、ずいぶん明るい印象へと変わっています。

街中には個人経営のお店もたくさんありました。

自転車屋。
八百屋。
豆腐屋。
肉屋。
スポーツ用品店。
婦人服屋。
時計屋。
酒屋。
印鑑屋。

記憶の中にはいろいろなお店が残っていますが、今ではほとんど姿を消してしまいました。

学校から帰る時間には、競輪場から出てくるおじさんたちがたくさんいて、大人から、

「気をつけて帰りなさい」

と言われていた記憶もあります。

そんな競輪場も、先日子ども向けのイベントがあって久しぶりに足を運んでみると、とてもきれいになっていました。

昔は、少し小汚いイメージを持っていたので申し訳ないのですが、

「今なら、ちょっと遊びに来ても面白そうだな」

と思うほど、私の中の印象が更新されました。

そんな立川が少しずつ移り変わってきた風景と、今の綱島の姿が、ときどき重なります。

だからなのかもしれません。

綱島という街に、私はどこか親近感を覚えます。

昔の風景と、新しい風景

綱島を歩いていると、昔ながらの風景が今も残っています。

時計屋。
メガネ屋。
酒屋。
タバコ屋。
中華料理屋。
八百屋。

そんなお店を目にすると、昔の街並みを感じます。

ですが、道を一本越えれば新しい駅が見え、新しい商業施設も目に入ってくる。

すぐそこに、新しい風が流れ込んできていることも感じます。

古いものが完全になくなるわけでもなく、新しいものだけに塗り替えられるわけでもない。

今は、その二つが同じ街の中に並んでいます。

そんな風景を見ていると、私の過去と現在が重なり、その先の未来までつながっていくような、不思議な感覚になることがあります。

少し大げさかもしれません。

それでも、私にとって綱島は、どこか懐かしく、それでいてこれからが楽しみな街です。

そんな場所だから、惹かれたのかもしれません。

綱島で見つけた、今の整体サロンの物件

現在、整体をしているこの場所は、ある日突然、目の前に現れました。

それまでは、来る日も来る日も物件情報サイトを眺めていましたが、なかなか「ここだ」と思える場所に出会えませんでした。

独立を考え始めたとき、

「1年以内に何かひとつ決断をしよう」

と決めていました。

しかし時間だけが過ぎていきます。

候補として考えていた地域よりもエリアを広げてみたり、想定していた家賃を少し上げて探したりもしていました。

それでも見つからない。

毎日のように肩を落とし、

「このまま見つからなかったら、どうしよう」

と悩んでいました。

当時の私は、

「物件が見つからなければ、何も始められない」

と思っていて、完全に二の足を踏んでいました。

気づけば、自分で決めた1年という期限も、残り2〜3か月ほどまで迫っていました。

そんなある日、ちょうど第一候補として考えていた綱島で見つけたのが、今の物件でした。

正直にいえば、私が最初に想定していた金額よりも家賃は高かったです。

ですが、内装、部屋の雰囲気、立地。

どれを見ても、かなり理想に近いものでした。

実際に内見してみても、とても素敵な空間で、

「ここでやっていきたい」

と思いました。

最後は、自分で決める

余談ですが、整体を始めようとすると、物件のオーナーさんから難色を示されることが少なくありません。

不特定多数の人が出入りすることが理由です。

そのため私も申し込みをしたときには、

「おそらく何か言われるだろうな」

と思っていました。

断られそうになったとき、どう説明するか。

そんな交渉の心の準備までしていました。

ですが、この物件では驚くほどスムーズに話が進み、そのまま契約までたどり着きました。

内見から契約までには、1週間ほど時間がありました。

本当は一度、恩師に相談しようと思っていました。

ただ、ちょうどスケジュールが合わず、相談することができませんでした。

もちろん今の時代、相談しようと思えば電話でもメールでも、いくらでも方法はあります。

それでも最初の機会を逃したとき、

「これは、自分で考えて、自分で決めろということなのかもしれない」

と勝手に思いました。

そこからは、自分の頭だけで考えました。

何度も考え直しました。

そして最後は、

「ここでやり切ろう」

と決断しました。

何もなかった部屋から、整体サロン『リーン』へ

そんな経緯があり、今ここで整体をしています。

入ったばかりの頃は、本当に何もありませんでした。

白い壁と、何も置かれていない部屋。

少し味気ない空間でした。

手を叩くと「パンッ」とこだまして、その音は今でも耳に残っています。

そこからベッドを入れました。

タオルや着替えを用意しました。

更衣室をつくりました。

植物を持ち込みました。

少しずつ飾り付けも増えていきました。

母がつくった美術作品を飾ったり、父からもらった花瓶を置いたり。

いただいたディップフラワーも、今ではサロンを彩ってくれています。

ひとつ、またひとつと物が増えるたびに、ただの部屋だった場所から、少しずつ自分の形が浮かび上がってきたように思います。

サロンも、街と一緒に変わっていく

完成したとは、あまり思っていません。

今でも、

「ここをもう少し変えてみようかな」

「これは無いほうがいいかもしれない」

と考えることがあります。

街が少しずつ姿を変えていくように、この場所もまた、少しずつ変わっていくのだと思います。

綱島には今、新しい風が流れています。

昔からあるものを残しながら、新しいものが加わっていく。

私もそんな街の中で、今まで積み重ねてきたものを大切にしながら、新しい整体の形を少しずつつくっていければと思っています。

この街がこれからどんな景色になっていくのか。

そして、この場所がこれからどんな整体の空間になっていくのか。

どちらも、楽しみにしています。

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レン・ヤジマ

整体サロン『リーン』