マラソンの季節ですね。
先日、箱根駅伝の予選会が立川で開催されていました。プリンセス駅伝や出雲駅伝のニュースも目にしました。

街を歩いていても、ジョギングに勤しむ人が増えてきたように感じます。
毎年そんな風景を目にすると、秋の訪れを感じるとともに、いよいよ年末が近づいてきたなと思います。
そういえば、今月末には横浜マラソンが開催されますね。
私も以前、横浜マラソンに出場したことがあり、この時期になると当時のことを思い出します。
フルマラソンへの挑戦
私がマラソンを始めたきっかけは、
「死ぬまでに一度くらい、フルマラソンを完走したい」
と思ったことでした。
そんな気持ちから、なんとなく走り始めたことを覚えています。
幸いにも、当時勤めていたお店に来ていただいていた方の中にも、フルマラソンに挑戦している方が何人かいらっしゃいました。
そんな方々の後押しもあり、次第にフルマラソンへの思いが強くなっていきました。
中には、わざわざ立川まで来ていただき、一緒にハーフマラソンを走ってくださった方もいて、とても心強かったです。
それでも、横浜マラソンにエントリーしたときは、
「どうせ今年は当選しないんだろうな」
という気持ちでした。
抽選倍率もしっかり調べておらず、おそらく10倍近くあるのだろうと思っていました。
ちなみに、東京マラソンは一般枠の抽選倍率が10倍を超えることもある大会です。
ところが、横浜マラソンに申し込んだその年に当選してしまいました(笑)。
よくよく調べてみると、当時の横浜マラソンの抽選倍率は、2倍ありませんでした。
そりゃ当選しますよね。
しかし、当選が決まったことで腹が決まりました。
「やるしかない」
そこから、本格的なトレーニングが始まりました。
仕事終わりも、休日も走る日々
仕事から帰るときには、最寄り駅の2〜3駅手前で降りて、そこから走って帰る。
休日にはジョギングに加えて、筋力トレーニングにも取り組みました。
「ぶっ倒れるくらいまでやるぞ」
そんな気持ちで挑んでいました。
今振り返ると、少し無茶な考え方だったようにも思います。
フルマラソンを経験した方に話を聞くと、
「練習で30キロ走れれば、完走できるよ」
と言われたことがありました。
それならばと30キロ走に挑戦しましたが、練習では20キロほど走ったところで足がつってしまい、泣く泣く断念。
結局、大会当日までに30キロを走り切ることはできませんでした。
正直、練習不足は否めませんでした。
だからこそ、ほかに準備できるものは万全にして挑もうと思いました。
レース中の補給食は、評判の良いものをいろいろと取り揃えました。
気づけば、そこそこの金額になっていて驚いたことも覚えています。
大会の1週間ほど前からは、食事も炭水化物を多めにするように心がけました。
できることはやった。
そんな気持ちで、いよいよ大会を迎えました。

いざ、横浜マラソンへ
大会前日は仕事でした。
スタート地点がパシフィコ横浜だったので、みなとみらい周辺のホテルに泊まるつもりでしたが、どこも予約でいっぱい。
そのため、綱島にあるホテルに泊まることにしました。
大きなベッドと大きなお風呂が案外快適で、
「こういうホテルも悪くないな」
と思ったことを覚えています。

スタートを待つ時間
大会当日。
経験者の方から、スタート直後は気持ちが高ぶってペースが上がりやすいので、そこだけは気をつけた方が良いとアドバイスをいただいていました。
その言葉を胸に刻み、スタートを待ちました。
今か今かと待つ時間は、想像以上に長く感じました。
期待と不安が入り乱れた、長い長い時間でした。
私の目標は、あくまでも完走。
横浜マラソンには制限時間があります。
当時の私は、1キロ8分程度のペースを目安に、時間内でゴールする計画を立てていました。
そのペースを崩さずに走っていこう。
そう思っていました。
しかし、いざスタートすると、はやる気持ちを抑えきれませんでした。
徐々にペースが上がっていきます。
楽しい。
そんな気持ちに支配されてしまったのです。
ただ、しばらく走っていると、少しずつ疲労も襲ってきます。
そこでようやく我に返り、少しずつ予定していたペースへ落としていきました。

ペースメーカーの方々との出会い
幸いなことに、途中で大会公式のペースメーカーの方々と合流することができました。
正確な数字は忘れてしまいましたが、当時の私が目標としていたペースに近い方々だったと思います。
実はその方々、スタートを待っているときにも、私の近くにいらっしゃいました。
待っている間、何気なく会話が耳に入ってきました。
どうやら、周囲のランナーがどこのメーカーの靴を履いているのかを見ながら話をしているようでした。
「Onの靴を履いている人があそこにいるね」
そんな話をしていました。
何を隠そう、私もOnの靴を履いていました。
「ここにもいますよ」
そんなことを心の中で唱えていました(笑)。
そして、レースの途中で再びその方々と出会うことになったのです。
よく見ると、皆さんOnの靴を履いています。
「お互い良い靴ですね」
そんな会話を交わしました。
話をしてみると、なんとそのペースメーカーの方々は、Onのメーカーの方だったのです(笑)
そして、
「その靴を履いているのであれば、完走しなくちゃですね」
と励ましていただき、道中を共にすることになりました。
この方々には、本当に助けられました。
私はそれまで、マラソンは孤独との戦いだと思っていました。
ですが、ペースメーカーの方々と一緒に走っていると、みんなで一緒に戦っているような気持ちになれました。
それが、とても心強かったです。
走っていると、疲労がぐっと押し寄せてくる瞬間があります。
そんなときも歯を食いしばって、
「あの人たちについていこう」
そう思うことで、また一歩、もう一歩と足を踏み出すことができました。
横浜マラソン最大の難所、高速道路へ
横浜マラソンの難所のひとつが、高速道路を走るコースです。
20キロを過ぎたあたりから、高速道路へ入っていきます。
実は15キロ地点あたりから、すでに足には違和感が出ていました。
そして、高速道路へ上がる坂道。
そこでついに足にきました。
明らかに、足がつり始めたのを覚えています。
それでも、なんとかペースメーカーの方々を追いかけて進んでいきました。
高速道路のコースは、場所によって路面が少し斜めになっています。
普段なら気にならないようなわずかな傾斜も、長い距離を走り、疲労が蓄積した足には大きな負担に感じました。
横浜マラソンならではの特色あるコースですが、私にとっては本当に大変な道のりでした。
沿道からの応援も届きにくく、同じような景色が延々と続きます。
それが長い距離にわたって続くのです。
本当に大変でした。
心身ともに疲弊していき、
「本当に完走できるのだろうか」
そんな不安が徐々に大きくなっていきました。
それでも、何度も励ましてくれたペースメーカーの方々や周りのランナーのおかげで、なんとか高速道路を抜けることができました。

35キロを過ぎて、涙が出てきた
しかし、ここに来てついに足が限界を迎えました。
もう走ることができません。
泣く泣くペースメーカーの方々に、
「もう限界なので、あとはゆっくり行きます」
と伝え、ペースを落として進み始めました。
ここでお別れになってしまったことは、とても残念でした。
ただ、この時点ですでに35キロを超えていました。
残りの距離と制限時間を考えると、歩いても完走できそうなところまで来ていたのです。
そう思った瞬間、ふと目から涙があふれ出しました。
「俺でもできるんだな」
まだ完走していないのに、大きな自信が胸に湧いてきました。
この頃の私は、ちょうど一人で独立して開業することを真剣に考え、悩んでいた時期でもありました。
自分にできるのだろうか。
失敗したらどうしよう。
そんな不安を抱えていました。
だからこそ、35キロを超えたあの場所で感じた自信は、私にとってとても大きなものだったのだと思います。
ここでの経験があったからこそ、独立へ向けて一歩踏み出すことができたような気もしています。
そして、足を引きずりながら一歩、また一歩と進み、なんとか完走することができました。
ゴールできた喜びはもちろんありました。
ですが、それ以上に、
「自分にもできることがあるんだな」
と思えたことが、今でも強く心に残っています。

その後も続いたご縁
途中でペースメーカーの方々と離れてしまったことは寂しかったのですが、後日、お礼のメールを送りました。
すると、とても丁寧なお返事をいただきました。
どうやら私のことを気にかけてくださっていたようで、完走できたことをとても喜んでいただけました。
なんだか照れくさかったです。
そんな経験もあってか、私は今でもOn推しです(笑)。
足と靴は、身体を支える大切な存在
ここからは、少し整体師としてのお話。
私は、足の状態が身体全体に与える影響は、とても大きいと考えています。
足は、身体の土台ともいえる場所です。
立っているときも、歩いているときも、地面と接して身体を支えてくれています。
先日、若い世代でも足指の力が弱い人がいるという話題を目にしました。
足の筋肉や関節がしっかり働いてくれることは、身体を安定させるうえでも大切なことです。
反対に、足の動きや安定性に問題があると、膝や股関節、骨盤など、ほかの部分の動きにも影響することがあります。
その積み重ねが、腰などへの負担につながる可能性もあると考えています。
もちろん、肩こりや腰痛の原因はさまざまで、すべてが足から生じているわけではありません。
ただ、肩がつらいから肩だけを見ればよい、腰が痛いから腰だけを整えればよい、というほど身体は単純ではないと思っています。
だからこそ、私は足の状態も大切にしています。
そして、それを考えるうえで欠かせないもののひとつが靴です。
クッション性が高ければ良いというわけでもない
靴は慎重に選ぶべきだと考えています。
例えば、クッション性が少ない靴では、歩行時に足へ伝わる衝撃が大きく感じられることがあります。
一方で、クッション性が高い靴なら何でも良いかというと、そうとも限りません。
靴底の柔らかさや厚さ、形状などによっては、人によって不安定に感じる場合もあります。
また、靴の機能に頼りすぎず、自分自身の足の筋肉や関節をしっかり使えることも大切だと思っています。
靴の機能が高ければ、それだけで身体の問題が解決するわけではありません。
靴選びというのは、なかなか難しい問題です。
私がOnの靴をおすすめする理由
日々、身体を見ていると、足首の動きが小さかったり、足の関節に硬さが見られたりする方にも出会います。
そういった方の中には、クッション性のある靴を履くことで、歩行時の負担が軽く感じられる方もいると思います。
そこで候補のひとつになるのが、Onのシューズです。
私自身も愛用していますし、横浜マラソンでの思い出もあって、個人的にはおすすめしたいメーカーです(笑)。
ほかにも、HOKAなど、クッション性を重視したシューズを展開しているメーカーがあります。
ただし、靴との相性は人それぞれです。
クッション性だけでなく、足幅やサイズ、靴底の安定性、実際に歩いたときの感覚なども大切になります。
できれば一度試し履きをして、自分の足に合ったものを選んでいただきたいと思います。
足元が変わることで、歩くときの感覚や身体の使い方が変わることもあります。
肩こりや腰痛が靴だけで改善するとは限りませんが、普段何気なく履いている靴が、自分の身体に合っているかどうか。
そんなことに目を向けてみるのも、身体を整えるひとつのきっかけになるのではないでしょうか。
あのときの一歩が、今につながっている
横浜マラソンを振り返ると、今でもたくさんの場面を思い出します。
スタート前の緊張。
走り始めたときの高揚感。
ペースメーカーの方々との出会い。
高速道路での苦しさ。
そして、35キロを過ぎたところであふれ出した涙。
完走できたことも嬉しかったのですが、何よりも、自分に対して少し自信を持てたことが大きかったように思います。
そして今、私は自分の整体サロンを持ち、日々お客様の身体と向き合っています。
あのときの経験が、今の自分にどれほど影響しているのか、正確には分かりません。
ただ、少なくともあの頃より、自分を信じて一歩を踏み出すことができるようになった気がしています。
今年も横浜の街を、たくさんのランナーが走ります。
それぞれに目標があり、そこへ至るまでの物語があるのだと思います。
これから走る皆さんが、無事にゴールを迎えられることを願っています。
そして、あのとき私を支えてくださった方々のように、私も誰かの挑戦をそっと支えられる整体師でありたいと思っています。